2013年10月25日

N-qia『Fringe Popcical』CDレビュー

N-qia『Fringe Popcical』

2013年10月26日 発売

―ポップアートな音の魔法―

ファーストアルバムの発表と同時にSerphであることを明かしたTakmaと、
ヴォーカルNozomiによって2010年に結成されたユニット、N-qia。
今作ではSerph名義で一際感じられたジャズの要素は見られず、
Nozomiの羽ばたくように囁く歌声と煌びやかなサウンドで構成されています。

タイトルからは、Fringe=過激、Pop-cical=大衆のクラシック、と、
後者は造語でしょうが、とてつもなくポップでありつつも攻撃的である事が分かります。

「shootingstar」「cocoonsong」で顕著で、全曲通してもそうなのですが、
まるで織機やガジェットを動かしている手作り感のある音が心地好いです。
動画も先行公開された「tree」は既に何度も聴きましたが、
改めて音の配置が綿密な楽曲だと気付きました。
中にはダウナーな旋律と環境音が融合した「someday」や展開の激しい「tobu」など、
バリエーションに富んだ作品となっています。

あらゆる音楽の手法が取り入れられていて実に情報量が多く、
体験してみてとしか言えないくらいの内容です。

全く異なる表現の音楽家ですが、国府達矢の『ロック転生』を想起しました。
どんな言い訳も皮肉もなく純粋にポップ・ミュージックを追求して、
非現実的な音楽によって楽しませる遊び心のある趣き。
聴いた後にはとても満たされた気持ちになりました。

N-qiaの二人がいまの状況に対する大切な想いを音に込めたであろう、
絵画のように鮮やかな作品です。
posted by Valon at 19:46| Comment(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月10日

霜月はるか『レムルローズの魔女』CDレビュー

霜月はるか『レムルローズの魔女』

2013年10月9日 発売

―凄烈なる交響曲―

最初に聴き終わって頭に浮かんだのは“すごい”の一言。
それ以外の言葉が出て来ないほどに圧倒されました。

日山さんによって描かれる物悲しくもどこか希望をおぼえる物語。
そして、彼女の作品ではお馴染みのMANYOさんや弘田さん、
坂本さんの書いた曲に、霜月さんの透き通った歌声とコーラス、
楽器隊の演奏が絡み合う濃密な音の世界。

並行しているcanoueの『最果ての塔』も素晴らしかったですが、
その制作のテンションが上手く今作にも表れたと押して知れます。

歌詞を読んでストーリーを楽しめるのは当然ながら、
ファンタジーボーカルアルバムに見られる生楽器指向の音作りは身体で感じて堪能出来ました。
全4楽章からなる「呪われた姫君〜忘却のレムルローズ〜」には最早感服するばかりです。

シンガーソングライターの活動、kukui、Sound Horizonのサポート等を経た、
今の霜月さんだからこそ表現し得る新基軸かつキャッチーなアルバムだと思いますので、
多くの人に聴いてほしいです。
posted by Valon at 22:32| Comment(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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